思い出のスイッチ

思い出のスイッチ


年を取ると、だんだん、いろんなことを忘れて行くと
言われていますが、
実際、忘れてしまっていることや、
忘れてしまいたいから、心の奥底に沈めてしまっているものが
あります。


「思い出スイッチ」は、
その忘れてしまったかと思われることを
呼び覚ますスイッチです。
視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚、温覚、痛覚、すべての感覚器に対する
スイッチがあります。


映像、写真、音楽、昔の状態を保っている建物。
なんでも、スイッチになります。


人や風景は、時間とともに、変化していき、老化し、
新構築されていきます。


そのため、じっと同じ状態で保つということは、
とにかく、コストのかかることです。
寺院の建造物や、日本庭園を同じ状態に保つ費用を考えてみればわかります。


「思い出スイッチ」のなかでも,写真、音声、映像は、
メディアが安価なため、一番、コストパフォーマンスのよい
スイッチです。


タモリさんが、何度も話す、「小学校の同窓会」の話があります。
同窓会に行って、いかなきゃよかったと最後まで思ってたらしいです。
みんな顔も変わり果ててるし、校舎は、立て直してあって、
自分の小学校じゃない場所みたいなところだし、
もう、本当に来なきゃよかったと思ってたらしいです。


そんで、最後に、校歌をみんなで唄う場面で、
校歌だけが、Unchanged(変わらない)だったので、
小学校の頃のことを、一気に思い出して、わんわん泣いたのだそうです。


変わらないものが、「思い出スイッチ」なんです。



たてものを同じ状態に維持するのは、大変な作業であり、
大金が必要です。


写真やビデオは、iPhoneや、デジカメで記録できます。


なるべく、多く撮影しましょう。


少し前のコマーシャルは、「物より思い出」という車のCMがありました。
あの、CMは、記憶が薄れて行く直前までが、真です。


でも、物忘れが多くなる中年以降では、真ではありません。


「思い出スイッチ」がないと、思い出せずに、終わってしまう
思い出が、たくさんあることを、忘れずにいてください。


そして、なるべく、多く、「思い出スイッチ」を老後の楽しみの
ために、残しておいてください。


そして、これを教えてくれた、私に、感謝の気持ちを
忘れないでください。



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