派遣社員というリトマス試験紙


ある仕事の定義(job description)を本格的に
したい場合、派遣社員というリトマス試験紙を使うという
手法があると考えています。
派遣社員ワークフローの設計、業務改善に使えるのではないか?
と考えています。



派遣社員というものが、始まりだした頃、
何かの雑誌にのっていたことです。


ある派遣元の営業と、派遣先の総務課長の会話です。

派遣先「まことに、申し訳けないのですが、山本さん、10月いっぱいに」
派遣元「うちの山本、何か問題を起こしましたでしょうか?」
派遣先「いいえ。問題は、ウチのほうでして」
派遣元「どういう意味でしょうか?」
派遣先「山本さんの処理能力がすごくて、困ってまして」
派遣元「…」
派遣先「山本さんは、ウチの正社員が半日かけてやっていた仕事を1時間で
やってしまい、『次の仕事の指示を下さい』と指示待ちになることが
多くなりました。で、どんどん、他の人の仕事も、回していたら、
あっと言う間に、全部、こなしてしまいまして…」
派遣元「山本の処理能力は、ウチでもトップクラスですから」
派遣先「そうなんです。優秀なんです。その状態が続いている間に、
ウチの社員が、山本さんに対して悪い感情を持ちはじめまして…」
派遣元「…」
派遣先「むしろ優秀すぎるというか、まったくさぼらないというか…」
派遣元「…」
派遣先「ウチの社員が、山本さんを白い目で見始めまして…」
派遣元「…」
派遣先「「あんなに、バシバシ仕事されると、私たちが、
さぼってたみたいに見えるじゃない」と、自分のサボリを棚に上げて、
文句をいい始めて…」
派遣元「…」
派遣先「今の仕事のワークフローというか、ウチの社員の
仕事の能力というか、そういうものの、見直しをしたほうがよいのでは、
ということになりまして…」
派遣元「…」
派遣先「ウチも部下の『忙しい、忙しい』を、真に受けて、
山本さんに手伝って貰い始めましたが、山本さんの仕事の手順を
聞いたところ、彼女のやり方で、みんなが仕事を始めれば、
むしろ、今の人数の3分の2の体制でできることが、判明しまして…」
派遣元「…」
派遣先「山本さんのやり方をみんなに説明してもらって、仕事を
処理し始めたところ、あっという間に仕事が終わってしまって…」
派遣元「…」
派遣先「私どもの部署、全員が、驚いてる次第でして…」
派遣元「…」
派遣先「あれほど、全社をあげて、『業務改善』を試みて、すべて失敗
してたのですが、山本さん一人が、実行してしまって…」
派遣元「…」
派遣先「山本さんには、感謝しても、感謝しきれないのですが、
ウチの女性たちが、山本さんに恨みを持ち始めて…」
派遣元「事情は、わかりました。山本にも、その旨を伝えます。
でも、どういう風に伝えようか、正直、迷ってます」
派遣先「本当に、申し訳けありません」
派遣元「『あなたは、優秀すぎるので、あの会社から切られました』
と伝えて、納得をしてもらえるかどうか?」
派遣先「…」
派遣元「『あんまり、がんばりすぎないで、受け入れ先の仕事のペースを
気にしながら、ブレーキを踏んで、仕事をしていきなさい』と改善点を
言うんです、か、ねぇ〜」
派遣先「本当に申し訳けないです。ウチのほうでも、なんとか、山本さんに
残ってもらって、別の部署の業務改善に協力してもらおうと
思ってたのですが、」
派遣元「山本の評判が既に伝わっていて、正社員の女性全員から、
にらまれてるってことですね。」
派遣先「そう。その通りなんです。もう、どうにもならない状態です。」
派遣元「そういうことであれば、しょうがないですね。
彼女自身は、まだまだ、自分の活躍できる部分が、たくさんある。と
先週の面談では、はりきって、目を輝かせてたのですが…」
派遣先「本当に、申し訳ないです。」
派遣元「それでは、山本は、10月いっぱいの契約で、来月の更新なしと
言うことで…」
派遣先「どう、説明しようかなぁ。」
派遣元「本当に、申し訳ないです。」
派遣先「…」
派遣元「…」


意識の低い正社員を多くかかえている職場では、
派遣社員が、一人、入るだけで、
客観的な仕事の基準や、フローというものが、
策定でき、そのフローの手順の設計が、しっかり
行われたりするものなのです。


何度もいいますが、
すべての仕事は、
段取りワークフローに別れます。


その流れができると、処理の標準値が出ます。


あとは、その基準に対して、
それぞれの処理能力が、どうかという計測ができるように
なるはずです。



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