トヨタのかんばん方式などと

同様に、製造工場の生産性向上にたずさわる人が
口々に言うのが、
この「見える化」です。


いつもいつも、意識できるような状態に、
コスト感覚であったり、遅延を取り戻そうという感覚などを、
浮き彫りにするために、システマティックに
問題点を常に、目に触れる位置に置くことを言います。


近代の工場はオートメーション化が進み、
いわゆる、バーコードなどにより、
この「見える化」が進んだと言われています。


残念ながら、
バーコード入力が、手入力であったりすると、
仕掛かり工程品の、工程票という伝票は、
入力を後回しにされていたりします。


または、自分がさぼっているのを、ばれないように
人間が微調整しながら、入力の速度を
コントロールしていたりするのです。


ある意味、経営者は、労働者を、
少しの遊び、たるみもなく、機械のように
分単位で働かせたいという欲求があることから、
この「うそ入力」や「さぼり入力」を、なんとか
「本当入力」や、「全自動入力」にできないものだろうかと
いつも、悩まされてきました。


健康のための禁煙というお題目のもとに、たばこさぼりを禁止してきたものの、
結局は、喫煙所に行く労働者を止めることは、できないのです。


で、このRFIDシステムは、
この経営者のニーズに合致したものなのです。


工程の流れ作業の中で、
ある労働者の担当する、工程の効率が、すべて
正直ベースで客観的に、カウントされ、数値化され
表化され、評価され、グラフ化されていくのです。


そのリアルタイム数値は、
まるで、株式市場における証券端末のように
(そんな、すごいことはないけど、一応言っておくね)
処理され、
生産管理情報、懈怠情報、品質管理情報、資材発注情報として
役にたつ即断即決の材料となっていくのです。



というところから、
かんばん方式を行って、
市場競争力を得て、世界の競合となった、トヨタ、日産は、
電子かんばん」を発展させて、
このRFIDシステムを取り入れていくはずなのです。


例によって、自社のコスト圧縮をおおよそ、
完了したこの日本最大の自動車製造販売会社は、
下請け会社のシステムにも
てこ入れを始めました。


納入業者に、RFIDタグを貼付けさせ、
ISOで要求される品質情報の履歴を、下請け会社に
取得させるべく、RFID機器の導入を迫っているのです。


ねじ、くぎ、タービンなどの、
3工程程度しかない工場も、トヨタ、日産の発展のために、
とりたてて、今の今には、不要である
システムの導入が始まっているということです。


工場の効率化は、一旦、完成したとされ、
ホワイトカラーの圧縮に一旦、マインドがセットされましたが、
アウトソーシング、派遣契約、パートが通常になった今、
もう一度、
工場の効率化を制する会社が、
競争力のある会社になるということが
また、見直されて来ている結果なのです。