システム導入には、表向きの導入理由と、裏導入理由があります。


表の導入理由は、雑誌などをにぎわしているようなものだと思います。
でも、実際、社長や工場長が、
思い描いているのは、そんな美しいものでは、なく、
どの工程の人間が、さぼっているのか、どの工程の人間の生産性
一番よいのか。
だれが、不良品を製造する元となっているのかを、追求したいのです。


トレーサビリティは、
企業間を渡る問題として、議論されていますが、
本当に、社長や工場長が知りたいのは、
何が、誰が、不良品製作の原因になっているかなのです。
自社の工場労働者であるなら、誰がか?
他社からの材料であれば、どの会社の誰がか?
至急、その原因の工場労働者や、機械やシステムを対処して、
無駄な出費を即効、削りたいと思っているわけです。


当然、特定の工場労働者ならば、「悪魔のカウントシステム」が排出する、
社長はリアルタイムログを眺めながら、その工場労働者をどう処理するか、
考えるのです。


RFIDによって、システム拡張が行われるときは、
必ずといっていいほど、
工数削減をめざしている。
すなわち、人員削減を視野に入れているものと
考えたほうがよいです。


そして、常時監視システムのリアルタイムログは、
何かがあった時の、証拠として保管され、
(1)工場労働者が、給与の不公平を言い始めた際
(2)不良品を出してしまった際
(3)勤務懈怠により解雇する際
などの、証拠として、提出されることになるのです。


RFIDの恐ろしい部分は、
無意識」のうちに、ログを取られているということです。


RFIDは、そんな悪魔のカウントシステムなのです。


でも、見方を変えれば、
効率よく、生産した人に、案分して、
給与を与えやすくなった、実力主義システムとも言えるのです。


そのレベルまで、経営者と工場労働者の利害が一致すれば、
RFIDを利用したシステムは、「天使のカウントシステム」に変化します。


生産性の高い人には、それを反映した給与。
不良品を生産する人は、その補填を給与からしてもらう。


そもそも、時給という概念がおかしいのかも知れないのです。
たまたま、RFIDのような「究極のカウントシステム」が、
存在しなかった時代で客観的な尺度として、時間という尺度が、
用いられただけなのです。


RFIDのシステムを利用した給料配分システムは、
いわば、昔の写経システムです。


印刷のない時代は、お経を書き写すしかなかったのです。
写経をした人にバイト代を支払うのですが、
(1)写経をした人には、写経文字数で支払う。
(2)間違いを探す人が、チェックする
(3)間違いを探した人は、一文字いくらかもらうが、その金は、
間違って写経した人から差し引く


なんとすばらしい、システムでしょう。
RFIDの技術は、利益の再配分システムにも応用されるのです。


ある意味、一見、残酷に見える、「悪魔のカウントシステム」ですが、
ちゃんと、やった人に、ちゃんとやった分を配分するシステムなのです。


社員一人一人の意識改革まで含めた、「見える化」が、ここにあるのです。


まず、一人一人の生産性が計算しやすい工場にまず、導入され、
そのあとデスクワーク側に展開されると確信しています。