RFID導入による「まる見え化」実例(その3)

「自分肩たたきシステム」


実際に導入するに至った理由は
至極、簡単だったりするのです。


その昔の、
「ムダ、ムラ、ムリ」みたいな、工員の鑑。みたいな本によると、
一つの工程が終わるたびに、記録を取るのは、全くの無駄である。
と、かかれているのです。


その昔には、
ラインが、ファクトリーオートメーションされ始めた
時代は、
まだまだ、今、工場がやっているような、
比較的リアルタイムに近いオペレーションがされていなかったので、
ま、バッチ処理という処理でしょうか?


入力作業は、途中でやっても、
帰る時にやっても、まったく同じ事。だった時代も
あったわけで。


その頃から、働いてる人は、
先輩に、
「この、アホ、ボケ、カス。一々、終了報告をするのは、
まぬけのやることじゃ。1日の最後に、記録は、一度に
つけるのが、無駄のない作業だぞ」
と、なぐられたり、蹴られたりしながら、
身に、しみついているのです。


そこに、システムという名のもとに、
大学出たての、若いもんに、
「今のシステムは、リアルタイムなので、1つ作業が終了したら
ちゃんとバーコード入力してもらないと困ります。何回言ったら、わかるんですか」
とか、言われても、
従うわけは、ないのです。


であれば、こういう人に対しては、
「記録、とらなくても、機械が記録しますから」
って言って、楽にしてあげるほうが、
全体が調和するのです。


ですから、
年配の工員のたくさんいる、工場は、
いますぐにでも、RFIDを導入したほうがよいのです。


事実、年配の工員のほうが、
思い違いの間違いや、やったつもりの間違い、
そして、ポカミスが多いことは、事実です。


残念ですが、
ある意味、機械によって
引退の時期を、知らしめるというのも、
経営者が「肩たたき」するより、「残酷さ」が低いかも
しれないです。
そんな風な、「まる見え化」も、ありありですね。
「自分肩たたきシステム」ですね。


労働が終了して、RFIDによるタイムカードを通すと、
今日、作った個数が、出ている。
「あなたは、今日、55個、製造しました。いつもお疲れさまです」
25歳くらいの工員が、叫ぶ。
「俺、今日、55個も作ったよ」
「ええ?どうやったの、教えて。教えて」
「こうやって、こうやってね」


62歳の工員が、受け取る書類には、
「あなたは、今日、23個、製造しました。
この工場の一人当たりの平均製造個数は、30個です。
去年は、平均35個作っていたあなたのことです。
もっと、作れるはずです。もっと、がんばりましょう」
と機械が言っている。
「俺も、落ちるところまで落ちたな。もう、潮時かな?って」
自分肩たたきシステム作動。


「あなたは、不要」と誰かに言われるより、
機械が打ち出した結果を、自分が見て、
「俺は、人の足を引っ張ってる」と、思って自主退職してもらった方が
会社にとっても、利益です。


がんばってくれた人には、少し、退職金上乗せとか、
会社の行事には、必ず呼んであげるとか、
その程度でも、やってあげて下さい。