試用期間3ヶ月と、社宅制度


試用期間3ヶ月と、社宅制度


かつての会社には、社宅制度というものが存在し、
しかも、個室は、一人部屋ではなく、
大部屋か、先輩との二人部屋であった。


その部屋で、先輩から、社会を学び、
共同作業の基礎となる、共同生活のルール等を学び、
会社の延長である部屋で、先輩から、会社内ルールや、物事の
やりかた。


食事、かたづけ、洗濯、布団のたたみかた。


「おまえ、ドアのしめかた、でけぇよ」
「おまえ、水道、出しっぱなしだよ」
「おまえ、ここにこんなもん置いたら、俺がふんずけてケガするだろ。今、すぐ、片づけろ」
「おまえ、お菓子入れのフタ、あけっぱなしだから、しけちゃっただろ」
「おまえ、ものを使ったら、ちゃんと、元にあったところに片づけろ」
「おまえ、ものを動かしたら、俺にもちゃんと、言え。ごっつい、探しちまったじゃんかよ」
「おまえ、なんで、会社支給のトイレットペーパー、部屋に持ち込んでるんだよ」
と、普通なら、親がしつけるような、一般常識を、
再度、叩き込まれ。


社会人化、会社員化、組織員化していくのだ。


学生のバイトくらいじゃ、社会人には、なれないのだ。
正社員と、バイトが給与体系が違うのは、それだけ、大変なことなのだ。



そういった生活の基本の部分から、叩き込まれる時期というものが
あった。
だから、親元を離れて、なんにもできないガキが、なんとか生活できるような状態に持って行くことができた。


寮には、寮長と言う、30歳くらいの人が全体をスーパーバイズしており、
部屋での、もめ事は、解決していった。


1歳、2歳くらいの先輩なんか、大したことないと言う風に、
ど田舎から出てきたばっかりの、バカな新人は、考えるから。

大先輩が、両方を呼び出して、説教をする。


そうやって、両者の成長をスーパーバイザーが見守る。そういった関係が、
課長、係長、平社員。という関係性に、大変、似ているのだということも、
体で覚えていく。


そして、試用期間。
それは、試用期間の3ヶ月の監視期間でもある。


80日、同居生活をともにした先輩から、人事がヒアリングし、
「使える人材なのかどうか」
「こいつは、見込みがあるかどうか」
「うちの会社にあっているかどうか」
「今後、こいつを部下として使えるかどうか」


そういった部分を見極め、合格だと、正社員となり、
NGだと、試用期間満了とともに、さようなら。となっていた。


なので、3日も一緒に旅行したら、いったいそいつかどういう
躾を受けてきたか。とか、
どういう人生を送ってきたかとか。
どれくらい、かしこいか。


そんなものは、すぐに、判別するのです。

その中で、3ヶ月間の時間とコストをかけて
躾をしなおして、改善されるようであれば、
見込みがあるということになるが、
改善がないのであれば、
正社員なんかにしてしまうと、お荷物になってしまうのだ。


インターン制度が、なくても、試用期間内に、ふるいがかけられたと
いうわけだ。


かつての、と言っても、
中小企業では、90年代初期では、これが行われていた。



社員寮が、もったいないとか、その程度の理由で、
こういったシステムは、なくなっていったわけですが、
会社で一番の成長をささえるのは、社員なわけで、
その判別機自体を、捨ててしまって、
日本の会社は、ちゃんと人材を選別できなくなって、
実際、バカ率が増えて、
弱体化していったんじゃねえかな?


もう一度、社員寮を復活させて、しっかり、見極めたほうが
いいんじゃね?


仕事できねえやつ、生活態度で、すぐ、わかるもんな。


寮で生活しはじめた奴って、まじで、アパート代自腹とか
生活できないから、それこそ、社畜化できるんじゃね?



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